不妊手術とは、生殖腺を摘出する外科手術のことです。
オスでは去勢手術、メスでは避妊手術ともいいます。
不妊手術により、将来起こり得る病気を防ぎ、健康で長生きできるよう、
3段階からなる予防医療の一次予防の観点から推奨しています。
不妊手術は何のために行うのでしょうか?
『望まない妊娠を避けるため』でしょうか?
実は一番大きな目的は『心身ともに健康で長生きするため』です。
昔と違い、ほとんどを室内で過ごす現在の動物達にとって、知らずに交配してしまう可能性はかなり低くなっていますので、『妊娠を避ける』意味合いは薄れてきています。
現在では、『病気の予防』という観点から重要視されています。
また、『病気の予防』だけではなく、マーキングや攻撃行動などの『問題行動の予防・改善』や、『発情に伴うストレスからの解放』といった利点もあります。
以下に詳しくご説明いたします。
オスの不妊手術(去勢手術)のメリット
1.病気の予防
精巣腫瘍の発生を防ぐ
前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアの発生リスクを下げる
2.マーキングや権勢症候群(気が強くなる)の予防
3.メスを追い求める発情のストレスから解放される
4.望まない妊娠をさせてしまうことを避ける
メスの不妊手術(避妊手術)のメリット
1.病気の予防
子宮蓄膿症、子宮内膜炎、子宮腫瘍、卵巣腫瘍の発生を防ぐ
乳腺腫瘍(*)の発生リスクを下げる
(*)犬の乳腺腫瘍の発症率と手術時期との関係
手術までの発情回数 犬の乳腺腫瘍の発症率
0 0.05%
1 8%
2~ 26%
2.偽妊娠(想像妊娠)を防ぐ
3.発情に伴う体調の変化やストレスから解放される
4.望まない妊娠を避ける
1.全身麻酔・手術のリスクがあります
○ワクチン接種など予防を徹底しましょう
○術前の説明・検査を受けましょう
○ペイン・コントロール(痛みのケア)でより安全な麻酔管理を図りましょう
2.交配・出産ができなくなります
○ご家族で十分話し合いましょう
3.ホルモンバランスの変化で太りやすくなります
○適切な食餌管理をご提案いたします
<不妊手術はオス、メスとも、生後約6か月頃から受けることができます>
(発情・生理中の場合は、しばらく延期となります)
1.病院にて全身状態、併発する異常の有無(乳歯遺残、臍ヘルニアなど)を確認
2.手術日の決定
3.手術
4.退院後の注意事項説明、退院
5.抜糸(約2週間後)
Tel: 0774-46-9099
いろは動物病院
〒619-0218
京都府木津川市城山台7-41-1
(JR木津駅東側・木津城址公園向かい)